相変わらず、電車に乗るのは、週に一度の仕事の時とたまに予定されている通院の時だけだ。その他の日は、近所をできるだけ歩くようにしている。
散歩に出かけた時は、小さな花や木の実を啄む小鳥を見つけたり、川辺を歩いては、川と川面に映る空や木々、川に浮かぶ鴨たちを飽きることなく眺めている。
どこへも出かけない日は窓から見える、朝晩の山、雲や太陽や月、それに山々を眺めて、日々、それなりに楽しんでいる。中でも、燃えるようなオレンジ色の夕陽や沈んだ後の夕焼け空が好きだ。
新型コロナウィルスの感染者数が毎日のように、過去最多を記録している。東京都は千人に迫る勢いだ。その上、感染力が高い変異種が発見されたそうで、年末年始は布団の中に幸せを感じるほかなさそうだ。
毎日、昼過ぎまで布団から出ないで、午後から近所を散歩して、夕方には夕陽と夕焼け空を眺めて暮らす、そんな生活もささやかな幸せだと感じられたら、それもいいことだ。
東京で仕事をした帰りに、山手線渋谷駅の構内を少し歩いてみた。一年前とずいぶん変わっていて、少し迷ってしまった。また、渋谷駅前は、以前は昼も夜も賑わっていたが、この日はクリスマスにもかかわらず、人出が少なかった。
山手線各駅は2020年夏の東京オリンピックを目処に、至るところで改装され、ずいぶんきれいになった。駅がきれいになるのはいいことなのだが、さて、来年のオリンピックは大丈夫だろうか、少し気になった。
ニュースによれば、最近は毎日のように感染者数の過去最高を記録し続けている。死者数も昨日は過去最高だったそうだ。それに、コロナウィルスの変異種がイギリスで発見され、東京でも空港で見つかったという。
ウィルスはこれからも変異を続ける可能性がある。ワクチンが完成しても、変異種には効かないかもしれない。また、仮に、コロナが日本で収束しても、世界で収束していなければ、来年のオリンピック開催は難しいだろう。
多摩川河川敷から眺めた田園都市線二子玉川駅の夕景、そろそろ日が暮れるころ、4時から4時半頃の間、青空に、少しずつ夕焼けの色が交じり、青と赤のグラデーションが始める頃の景色は魔物でも出て来そうな雰囲気がする。
日暮れ時の空は、
空や山や森をキャンパスにして、
太陽と大気が共同で描く芸術だ。
多くの言葉は要らないだろう。
昨日、22日のことだ。ニュースによると、新型コロナウィルスのさらに変異した強力なウィルスがイギリスで流行しているという。世界はまた大変な状況になっているようだ。
そんなニュースを聞いた母は、「怖いからどこも出かけたくない」と言う。だが、この一週間、彼女はすぐ近くのスーパーへ買い物に出ただけで、ほとんど歩いていない。それで、どこでもいい、とにかく、人の少ない所を歩こうと提案し、昼頃、外へ連れ出した。
外は少し寒いが、21日に続いて、冬晴れのいい天気だ。見上げれば、木の実を啄む小鳥たちが鳴き騒いでいる。雲一つない青空には上弦の白い月が青空に昇っている。
あれこれ言いながら、バスを利用して、「二ヶ領用水」という江戸時代に作られた用水路まで行った。そして、用水路沿いの道を歩きながら、道ばたに咲いている花や川面を泳ぐ鴨たちを眺めながら歩いた。
二ヶ領用水を北に向かう途中、国道246号を跨ぐ歩道橋を渡る。この太い246号線は東京千代田区と静岡県沼津を結ぶ重要な道路らしく、車の行き来が激しい。午後も遅いせいか、交通量は下りの方が多いようだ。
国道を跨いだら、さらに北へ向かい、久地円筒分水まで行った。ここは多摩川から引き込んだ水をいくつかの堀に分けるところ、ゴーゴーという水音がして、会話が聞き取りにくい。
それから、水を引いている多摩川まで歩いた。さらに、多摩川に沿った道を二子新地駅まで歩いた。母は疲れたと言いながら、広々とした眺めには喜んでいた。それから、まだ混み始める前の電車で帰ってきた。合計一万歩足らず、約7㎞ほどの、気持ちのいい散歩になった。