雨の中、撮影した桜も色っぽい。
世の中、すべて、見ようによっては醜くもなり、色っぽくもなる。
例えば、一国の独裁者だが、彼は見ようによっては魅力的なスーパースターである。だが、実は、最悪の犯罪者だ。
これが世界だ。世界は見ようによって変わる。それが普通だ。
桜の美しさを見ながら、そのはかなさを思う。真実はいつでもはかないものだ。
春は来たようだが、何とも落ち着かない。
桜雨の日が続いて、桜は散り始めている。
雨の中、なかなか出かける気にならない。
行こうと思った桜の名所に行ってみたら、
もうすでに散り始めているかもしれない。
今年の春は何とも慌ただしく過ぎそうだ。
桜の開花とともに、
ピーピー鳴き騒ぐヒヨドリ、
下手くそなホーホケキョ、
チッチッと鳴く四十雀、
小鳥たちも花に集い、
春を楽しんでいるようだ。
花に嵐の例えもあるぞ、さよならだけが人生さ
漢詩を翻訳した井伏鱒二の詩が思い浮かぶ。
4月1日前後、予想を裏切って遅く咲き始めたソメイヨシノが、この数日間、降り続く雨で、もう散り始めた。
遅く咲いて、早く散りゆく桜。例年になくはかないソメイヨシノだ。
窓明けて窓いっぱいの春
種田山頭火
朝起きて、カーテンを開けて外を見ると、
並木の桜が至る所で咲いている。
公園に行って見れば、蕾のものもあるが、
すでに満開に近いものもある。
窓いっぱいの春が目の前に広がっている。