鶏肉の照り焼き。鮭のちゃんちゃん焼き、カレーなど定番料理ばかり。それでもいいじゃないか。自分自身が楽しみながら、母親が喜んでくれることを期待して作っている。
出かけるにも遠い所、人が集まるところを避けるとすると、行くところは近くの公園しかない。
昨日は神奈川県では人気のある王禅寺ふるさと公園に行ってみた。
ここは2月に玉縄ザクラが咲くことで有名だ。玉縄桜の周りを飛び回っている鳥を何とか写真に撮ることができた。図鑑を見ると、どうやらメジロのようだ。
人はいつもと比べて少ないながら、ボール遊びをする子供がいた。他には散歩する人たちもいたが、何とも静かだった。
音といえば、ただひたすらに、この小鳥たちの鳴く声が響いていた。枝から枝へと飛び回り、本当の春を運んできているようだった。
このところ、中国人留学生に教えている日本語学校は休校が続いていて、仕事も減った。中国人がいない学校は週に一回だけ行っている。
週一の仕事と通院の日以外はバスにも電車にも乗らないようにしている。仕事で東京へ出かけるのは楽しみの一つだったが、とにかく満員電車や人混みはできる限り避けている。
結局、近くの公園を散歩することと、近くのスーパーへ買い物に出かけるのが数少ない楽しみの一つだ。ともあれ、母を歩かせなければならない。
近くの公園ではそろそろ玉縄桜が咲いているころだということで行ってみた。案の定、満開、あるいは、すでに散り始めている木もあった。
それだけではない。白梅も紅梅も咲いていた。梅に桜の花の木の下には赤い絨毯、白い絨毯、ピンクの絨毯と色鮮やかで、美しかった。
区役所のある駅の近くで、大勢の老若男女がスマホを見ながら、じっと立っている。ポケモンGOでもやっているのだろうか。
世の中は変わってしまったようだ。電車に乗れば、ひげを生やした大の大人が、かつて、ぼくの娘が遊んでいたRPGとかいうゲームに夢中だ。
半世紀前の大人はこんなんじゃなかった。威厳があった。ぼくは彼らを理想に生きてきた。だから、彼らがもし今の大人を見たら、きっと嘆くだろうのだろうと思えてならない。
区役所へ行くと、花壇には色とりどりの花が咲いている。人の心は時代とともに変わっていくが、花たちは、ちゃんと春を感じて、半世紀前と変わらず咲いている。
ソメイヨシノのつぼみが少しずつ膨らんでいる。
梅林の近くで地べたを歩き回っている鳥がいる。
嘴の色からして、椋鳥のようだ。
小鳥たちが木々の間を飛び回るのを見ていると、
何となくだが、いよいよ春が来たという気分になってくる。