川
世田谷区の二子玉川駅から見た多摩川。多摩川は東京都と神奈川県の間をゆったりと流れている。駅のすぐ横、東京都の世田谷区側には繁栄を象徴するように、楽天(株)の高層ビルが他を圧倒して聳え立っている。
さて、川は二つの世界を隔てている。東京と神奈川で、何も変わらないように思うのだが、川に隔てられた二つの世界は何かが違うらしい。江戸川に隔てられた千葉と東京も同様だろう。何かが違う二つの世界を結ぶのが橋だ。
そんなことを考えていたら、ふと、中国の深センにいた時のことを思い出した。香港と中国本土の間を流れる深セン河、この河によって隔てられた二つの世界はいろいろな点で異なっていた。空気が違っていたのを今も覚えている。
今、香港も中国本土に取り込まれつつある。それでも、何かが違うはずだ。いや、この場合は、違っていることを信じたい。世界を隔てる川について考えていたら、かつての自由都市香港が懐かしくなってきた。