月見れば!
〈26日16時頃〉
〈26日17時頃〉
〈28日17時ごろ〉
〈28日17時頃〉
〈29日17時半頃〉
〈29日17時半頃〉
〈30日02時頃〉
〈31日06時頃〉
5日間、およそ110時間の間に撮影した月の写真を並べてみた。30日と31日の写真の間には30時間以上の時間差があるが、丸さを見るとほとんど差がない。月を眺めていると、どうしても思うのはやはり、古今集などの和歌だ。
月見れば千々に物こそ悲しけれ我が身一つの秋にはあらねど/古今・大江千里
(月を見ていると、あれこれと限りなくもの悲しくなる。私一人の秋ではないけれど)
前にも書いたが、丸い月を見ていると、やはり、大江千里の和歌を思い出す。秋ではなくて、今見ているのは冬の月で、季節が違うのだが、今、遠くにいる家族や友人知人、それに、兄弟とさえ会わない生活が長く続くと、ますます、心が乱れるような思いがする。
月夜よし夜よしと人に告げやらば来てふに似たり待たずしもあらず/古今・読み人知らず
(今夜は月がきれいですてきな夜ですよとあの人に告げたならば、いかにも会いに来てくださいといっているようで、憚られるが、やはり、待っていないというわけでもない)
そう、会いたい人がいて、会いたいという気持ちが強くなる。しかし、月がきれいですと言い送ることも、憚られるこの年末年始だ。待っていないといえば、嘘になる。