見上げてごらん夜の星を
たまたまチャンネルを変えたら、「クイズ!ドレミファドン!」というクイズ番組をやっていた。以前見たことがあり、懐かしいなと思いつつ、しばらく見ていた。曲の最初を聞いて曲名を当てるというクイズ番組だ。
「1万人が選んだ名曲300」をおしまいのほうから順に当てていたのだが、知らない曲がけっこうあった。時代の変化についていけてないなと思いながら、見ていたというより、聞いていた。だが、最後のベスト3になって驚いた。何と、あの坂本九の「見上げてごらん夜の星を」が1位だった。世代を超えた名曲だ。
1位 坂本九「見上げてごらん夜の星を」
2位 ZARD「負けないで」
3位 SMAP「世界に一つだけの花」
これを歌っていた坂本九は1985年の飛行機事故で亡くなった。彼の声が今も聞こえるような気がする。1960年代の歌で、悲しいことやつらいことがあったとき、夜空を見上げながら、つい口ずさみたくなる歌だ。
見上げてごらん夜の星を
作詞:永六輔 作曲:いずみたく
唄:坂本九
見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光が
ささやかな幸せを 歌ってる
見上げてごらん 夜の星を
ぼくらのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈ってる
<間奏>
手をつなごう
追いかけよう 夢を
二人なら 苦しくなんか ないさ
見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光が
ささやかな幸せを 歌ってる
見上げてごらん 夜の星を
ぼくらのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈ってる
そうだ。あの頃は星が見えた。今はほとんど見えないが、確かに小さな星が見えた。でも、金子みすゞの詩に、「見えぬけれでもあるんだよ」というのがあった。ただ、金子みすゞのは「昼の星」、坂本九のは「夜の星」だ。その違いはあれども、やはり、夜の☆は見えないけれども、ちゃんとあるんだということ。名月だって曇って見えなくても心の中に思い浮かべていればいい。
星とたんぽぽ 金子みすゞ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。