裸の王様
テレビで茶碗の話をしている。
国宝の茶碗だというのを見て思う。
これのどこがいいのだろうか。
使えない茶碗なんて意味がない。
歌舞伎を見に行ったことがある。
かつては大衆のものだったはずなのに
今では高級な芸術になった歌舞伎。
理解できずに眠ってしまう。
美術館で真っ黒な絵を見た。
ただ黒いだけだが芸術だと言う。
まったく理解できないが、
数百万円だと言う。
王様が黒を白だと言えば、みな白だと言う。
そこへ有名な服を作る職人が来て、
馬鹿者には見えない服を王に着せる。
実は何もなくて、王様は裸だ。
自尊心の高い人々はみなほめちぎる。
王様も素晴らしい着物だと言う。
みんながほめる中で、
子供だけが「王様は裸だ」という。
有名な落語「はてなの茶碗」同様、
誰が使ったものだからと値が上がる。
使えなくても値が上がる。
人が高く買うからと値が上がる。
そんな時、子供が言う。
この茶碗と百均の茶碗とどこが違うの?
使えない茶碗より、軽くて割れない、
百均の茶碗のほうがいいよと。