落花
落花といえば、普通は桜の花を表すが、
今の時期落ちる花はハナミズキやツツジの花だ。
仕事の帰り、公園を歩いていると、あちこちに花が落ちている。
道端を賑わしたツツジが次第に色あせ、茶色になり、落ちていく。
ハナミズキの白い花はほとんど散ってしまった。
草に埋もれた白い花を見て、あわれと季節の移ろいを感じる。
ふと思えば、人も華やかな若いころを通り過ぎて、次第に色あせる。
そして、散っていく、それを惜しむのもよいが、悲しむことはない。
それが自然の定めなのだから。
枯れ落ちた花は栄養となり、生命は次の世代に受け継がれる。
人も同じく、枯れ落ちて、次の世代に受け継がれるのだ。
だから惜しむことはあっても、悲しむことはない。