CMとギャンブル
テレビのCMで、好きなものもあるが、あまり好きじゃないものの方が多い。見るのもうんざりするCMもある。吐き気がしそうな、あるいは胃がむかむかするようなものもある。そんな時は、音楽が聞こえただけで、決してテレビに目を向けない。それでも耳に入ってくる。そんなDMの中で最も嫌悪しているのがギャンブルのCMだ。
よくわからないが、宝くじか何かのCMで「BICで6億円当たった人は300人いる」「そんなに!」という言葉が耳につく。この宝くじを買っている人はどれだけいるのか知らないが、やはり膨大な人が膨大な金額を投じているはずだ。ぼくは6億円当たった人が300人しかいないのかって驚いたのだが、CMに出てる男か女かわからないその人は「そんなに!」と多さに驚いている。そんなに当たっているのなら、買いましょうというメッセージだと思うが、あきれてものも言えない気分だ。
ギャンブルで儲けるのは主催する人だけではないかと思う。購入者の中に儲かっている人がいるかもしれないが、いてもほんの数人だろう。あのCMで言えば、のべ何億人の人が買って、300人が当たっているというのだ、0.1パーセント以下ぐらいの人が儲けているだけで、残りの99.9パーセントの人がただ金をどぶに捨てているようなものだ。それから、特に恐ろしいのは一度当たった、あるいは、一度勝った経験のある人だ。また、勝てると信じ込んで、泥沼にはまる。金を失い続ける悪循環に陥ってしまう。
ぼくの経験で言えば、初めて、パチンコとマージャンをした時、ビギナーズラックというのか、ずいぶん金が入った。それから、はまってしまい、金を失い続け、一度は自殺まで経験した。失う金を授業料と称して肯定したこともあった。だが、抜け出した今思うことは、つぎ込んだ金は決して授業料ではない。詐欺にかかって金を失うのと同様だ。
競馬、競輪、宝くじも数回経験している。だがラッキーなことに、一度も当たったことがない。おかげで、今は無駄な金をつぎ込まずに済んでいる。この数回の投資こそ、授業料だったのだろうと無理やり納得している。とにかく、知ることだ。どんなギャンブルであれ、賭ける側が潤うことは皆無に等しい。誰が潤うかは言うまでもない。