日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

散歩


 歩数計を見て少し驚いた。4月は、けっこう歩いたものだ。仕事が減ったことで、ほとんど家にいるので、毎日のように、母といっしょに、買い物に出るか、散歩に出るかしている。背筋が曲がって自転車や人が前から来ても気づかない母に、「人が来るよ」など声かけをしながら歩いている。ぼく自身は、気になる鳥や花を見付けると、立ち止まって撮影しているのだが、それでも、足の遅くなった母を何度も待たなければならない。


 神経内科の先生からも言われていることだが、認知症を少しでも遅らせるには、できるだけ歩いたほうがいいらしい。夜には、買い物の日も含めて、一日何をしたか、どこを歩いたか確認している。なかなか思い出さない時は、ヒントを出したり、地図を広げたりして、説明する。これが毎日の日課になっている。


 母は、最近、物忘れがひどくなっているが、ひどい時は、自分の誕生日さえ忘れている。テレビをよく見ているが、何度同じドラマを見ても忘れていて、楽しんで見ている。昨日、今日、何をしたかもほとんど覚えていない。毎日、今日が何日で、何曜日なのか、一日のうちに何度も聞いてくる。カレンダーの予定表だけでなく、日めくりカレンダーも下げていて、一枚一枚自分でめくるように促しているので、少しはいいのだが、それでも「今日は何日?」と何度も聞いてくる。


 先日も「今日は何日?」と聞くので、「日めくりカレンダーを見て!ほら、4月30日でしょう!明日はもう5月1日だよ!」と言ったら、日めくりの30日というのを見て、「明日は31日でしょう!」と言う。思わず、笑いながら、「2月29日は四年に一回あるけど、4月31日は、これからもないよ。」と笑って言ったら、はっと気がついて、苦笑いしていた。


 ところで、散歩に行くとき、母はトイレが近いので、一日に歩く道のりを考える時、いつも20分間隔で、コンビニかトイレのある公園に立ち寄って、トイレ休憩をしている。歩く速度もずいぶん遅くなったが、よく頑張って歩いている。大したものだと思うが、褒めないようにしている。「まだ大丈夫でしょう。」と言うようにしている。


 ところで、昨日、ぼくのスマホに入れてある歩数計アプリで、今年の記録を調べてみた。四月までの120日間で、歩数は合計747,931歩、距離はおよそ572㎞だった。一日の目標に設定してある6000歩に到達した日数は58日/120日だった。今年一日の最高は3月27日で15,406歩、次は3月30日で14,162歩だった。そして、昨日5月3日は今年三番目の記録で、14,145歩だった。これはぼくの歩数計なので、母の歩数とは違うが、それでも、この記録についてくる母は偉大だと感心している。


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