悪しき慣習
政治家による白紙の領収書、ぼく自身、告白すれば、ある会に入っていた時、数人で食事会をした時、会長が、会の名前で領収書を切らせていた。別に会議を開いていたわけでもないのにと不思議に思ったことがある。当時、誰も悪いことをしているという意識はなかったと思う。
伝統的な競技の部活動に参加していると、いじめやしごきといった暴力的な体質があったが、それを当然だと思っていたし、非難しようとも思わなかった。教師による体罰も普通だった。教師に殴られたこともけっこうあった。
大人の世界でも相撲界では、暴力による死者が出たという事件があったが、相撲のみならず、柔道や剣道、武道の世界ではしごきというものが今もあるだろう。悪い慣習が罪の意識もなくそのまま長続きするものだ。
神戸製鋼や日産の検査を不正に行っていたのも、悪い慣習がずっと行われていたということで、悪い慣習だという意識はなかっただろう。長い間続くことで、罪意識は消え、しだいに慣習化する。そうすると、ますます断ち切り難くなるものだ。敢えてそれを断ち切るためには、やはり内部告発しかないのだろうか。