桜色の道
ピンク色の蕾を眺めては花咲く日を待ち望み、咲けば、笑顔になり、散り始めれば、無常を感じ、散ってしまえば、若葉に夏の近づいたことを感じ、桜色の川面を眺め、桜色の道を歩き、季節の移ろいを感じる。
世間を賑わす悲惨な事件の被害者遺族や、地震や台風や火災の死傷者たちのことを思うといたたまれない。海の向こうでは戦禍の火種がくすぶっている。さらに遠くでは戦禍によって多くの子供たちが貴い命を落としている。
金や地位や守るために、平気で嘘をついている人たちがいる。自己中心の考えで、人を平気で傷つける人たちがいる。人を憎んだり、暴言を吐いたり、おぞましい武器を手に脅したりする人たちがいる。
桜色の道を歩きながら思う。四季を感じるこの平和が長く続くことを。行き交う人たちの笑顔を見ながら祈る。平和を見失った国の人々が、自然の美しさを味わい、笑顔になる日が訪れることを。