水無月と六月
ついに6月だ。6月と言えば、例年、紫陽花と梅雨入りの季節だが、関西から西は五月のうちに、早々と梅雨入りした。関東地方は例年通りになりそうだ。ただ、神奈川と東京では、この数日、夏日が続いている。時折、真夏日に近い29度という日もある。
6月と言えば、もう一つ「衣替え」の季節だ。中学生のころ、6月1日に冬服の制服を着て、家を出て、あわてて、家に戻り、半袖に着替えて登校し直した記憶がある。先生が恐かった。10月1日に夏服で出たこともある。同様に慌てて、上着を取りに戻った。当時はまったく融通のきかない校則だった。
ところで、6月になったということで、よく、今月は「水無月」だと言う人がいるが、「水無月」は旧暦六月の異称であって、新暦ではその季節感覚はわからない。旧暦では四月から六月が夏で、四月は初夏、五月が仲夏、六月が晩夏だ。昨日の6月1日は旧暦で四月二十一日、まだ初夏だ。
「水無月」について、辞書を調べると、田に水を引き入れる時期とある。今年の旧暦六月は新暦の7月10日から8月7日だ。この8月7日が立秋だ。さて、ぼくには農家の体験がないから、よくわからないが、7月10日ごろになって、田に水を引き入れるのか、疑問のままだ。