気になる日本語-動詞の名詞化
よく見かける日本語の表記に、「話し」と「話」がある。どちらも読み方は「はなし」だが、品詞が違う。
前者は動詞で、「話します」「話してください」「話し合う」「話しにいく」などと使う。後者は名詞で、「話が違う」「長い話」「話をする」などと使う。
後者「話(はなし)」は動詞「話す」の連用形が名詞化したもので、「話すこと」「話す内容」を表したものだ。この場合、送り仮名の「し」は要らない。
動詞が名詞化したことばを他に探してみると、みな、その動作をする「こと」、「もの」、「人」を表すようだ。そして、送り仮名の有無によって、三つのタイプに分けられるようだ。
第一のタイプは送り仮名が要らないもので、名詞としての自立度が高いもの。たとえば、「氷」(氷る)だ。
第二のタイプは、送り仮名があってもなくてもいいもので、名詞としての自立度がある程度高いもの。例えば、「受(け)付(け)」「祭(り)」「縮(み)」「守(り)」「轟(き)」「晒(し)」だ。
第三のタイプは、送り仮名がなければ、名詞として、認識しにくいもので、まだ、送り仮名が必要な名詞だ。例えば、例えば、「行き」、「帰り」、「読み」、「書き」「輝き」、「物書き」「示し」「渇き」「脅し」だ。