日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

気になる日本語(3)赤いの車

 外国人に日本語を教えていて、気になる言葉がいくつかある。例えば、形容詞「赤い」を「赤いの車」などと言う。


 この余分な「の」だが、中国語では「的」で表される。「わたしの本」は「我的書」だ。中国人留学生は、これと同じように、「紅色的汽車」と言いたい時「赤いの車」と言ってしまう。


 これは中国語を勉強する日本人も難しいところだ。日本語では「の」が必要だが、中国語では、「的」が必要なのかどうか、悩ましいところだ。ただ、逆に面白いと思ったこともある。「わたし(個人)的な問題」は中国語で「私人的問題」だ。「わたし的に」はおかしな日本語だと思っていたが、中国語と同じなんだと思うと面白い。


 ところで、この「赤いの車」だが、赤ちゃんをあやす母親が、使ってしまうという話を聞いたことがある。これは、赤ちゃんの言語能力に合わせた使い方だと考えられる。「おいしい?」を「おいちい?」というような類いだ。


 自分を指示する人称代名詞として、学校の先生は子供に向かって、「先生は~」と言い、母親は子供に「お母さんは」と言うのも同じ性質がある。相手の立場に立って、相手中心にした言葉遣いをするというのが日本語のようだ。

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