春
梅に春到来を感じつつも、
次第に近づく別れのとき、
慣れ親しんだ人も場所も、
去り行き、離れるときが来る。
出会ったときの心弾む想いも、
遠い思い出、記憶の1ページ。
心をつかんだと思ってみても、
指の間をすり抜けて見失った。
十年の時は矢の如く過ぎ去り、
君が近くにいた時を思い出す。
だが、その君が今どこでいて、
何をしているかも知らない。
春、また別れるときが来る。
そして、また出会う時も来る。
誰と何と出会うのか知らぬが、
一期一会の心で春を迎えたい。