日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

無人化?

 久しぶりに大病院に行って、まるで浦島太郎のように、病院の中の無人化されたいくつかのシステムに驚かされた。


 診察券を無人の機械に入れると、診察のA5大のシートが出てくる。それをクリアファイルに挟み、診察を受ける科へ持っていく。診察が終わって、そのシートを受付に持っていくと、バーコードの記された番号カードをもらう。その番号が掲示板に示されたら、無人の会計機にバーコードを示す。そして、画面に示された料金を払う。診療明細なども希望すれば出てくる。支払いが終われば、病院の外にある薬局に行き、そこで、処方箋を機械に入れると、同様に番号カードが出る。窓口の上部にあるモニターに番号が示されたら、薬ができたということだ。


 番号カードで思い出すのは回転寿司店、店に入って、来店人数と、カウンター席かボックス席かの選択をし、確認ボタンを押すと、番号カードが出てくる。その番号で呼ばれて、席へ案内される。注文もタブレットをタップして、何を何人分とか指示すれば、しばらくして、注文した寿司がレールに乗ってやってきて、目の前に止まる。居酒屋でもタブレットを使って注文しているところが多い。


 無人化と言えば、もう一つ思い出すのが、20年ぐらい前、いろいろな金貸しの会社が無人で借りられますと言って、自宅の周りにあちこち無人金貸しボックスを設置していた。入ったことはないが、何か不気味なものを感じた。考えてみれば、駅の改札やバスカードなどはとっくに、無人化されている。定期を確かめたり、切符にハサミを入れたりすることなどなくなってしまった。


 時代が変わり、次々と機械化が進み、人がいなくなる。ギョーザのように人間の掌が行う微妙な作業まで機械に代わりつつあるという話も聞いた。タクシーやバスもそのうち、機械が、所謂ロボットが運転するようになるのかもしれない。舎人ライナーとかゆりかもめは既に自動運転になっているという。このままでは、機械がすべての仕事を人に代わってするようになるのではないか。将棋や囲碁などのゲームの世界でも機械が人を超越しそうだ。また陶芸にしても、機械が名人と全く同じものを作ることができる時代が来るという話もある。人間の仕事のすべてが機械に奪われてしまいそうだ。


 そこで思い出されるのが、最近、通っている病院の場合だが、結局、数人でやっていた仕事を、今、一人の人間と数台の機械がこなすようになっている。そして、その一人の人間はやたらと忙しそうだ。やはり、機械ではできない部分があるに違いない。そして、その部分こそが最も大事な部分なのではないだろうか。もしも、すべて機械がやったら、必ず問題が発生するだろう。SF映画などでは将来、機械が人間を支配する社会が来るという。だが、そこには人間のモラルが必ずブレーキを掛けられると信じている。

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