中学入試問題
「あなたが誰かのために何かをした経験について、三百字以内で作文を書きなさい。(不二聖心女子学院中学校2019年国語入試問題)」
電車の中で見た、どこかの塾の広告。
違和感を覚えた。それは、ぼくだったら、そんな経験はないと思っているからだ。誰かのために何かをしたとしても、それは自分のためにしたようなものだからだ。純粋に誰かのために何かをした覚えがないのだ。
さて、小学生の女児に出された中学校入試問題だが、女児たちは、「はい、あります」と言って、何らかの答えを書くのだろうか。もし、そうだとしたら、何だか、奇妙な気持ちになる。
こういう違和感を覚えるぼくのほうが変わっているのだろうか。世の中には純粋に人のために努力している人は大勢いるのだろう。誰かのためといいながら、自分のために何かをしているのはぼくだけなのだろう。
そう思うほかに、この入試問題に対する違和感を消すことができない。