多摩川(1)
日が落ちた後、都の縁を流れる多摩川の水面に映る街灯りのあたりに、何かあやしげな気がただよっているように思えた。
1974年台風16号により、この川は氾濫した。ドラマ「岸辺のアルバム」で、その脅威は強烈な印象として、心に残っている。ただ、多摩川は歴史上何度も氾濫し、多くの家屋を押し流し、多くの人命を奪っている。それでも、また、今回、台風19号によって、堤防が決壊した。
先日、境川を見に行ったとき、川のすぐそばに広い遊水池があった。水が溢れた水を貯める役割をする。鶴見川にも大きな遊水池があって、それが今回の台風19号から鶴見川沿いの住民を救ったとう。ニュースによると、東京にも地下遊水池があるらしい。
多摩川の氾濫はそういう意味で、人災と言えるように思う。治水工事は行政の責任だ。今後、異常気象のせいで大きな台風は何度も来る可能性があると聞いた。次の水害はけっしてあってはならない。