夏
休日、空は青い。
紫ツメクサの咲く草の上に寝転んで夏を眺める
少年の頃はよく里山にのぼり、
草原に寝転んで空を眺めていた。
流れる雲に話しかけたり、
町を見下ろしては何故か涙を流していた。
先日休みの日、
買い物帰りに草の上に寝転んで見上げた目の前には夏の空。
また夏が来た。
大好きな夏が来た。
グランドを走り回った夏、情熱を抱いた夏、そして、絶望した夏。
夏はいつも熱く、
ぼくの中にさまざまな感情をかき立てる。
そして、その感情を打ち砕く。
夏の終わりはいつもセンチメンタルだった。
ぼくはささやかで小さな人生の中に、
今年もまた、感傷的な夏の終わりまで、
夏の物語を刻み始める。