転倒!
昨日のことだ。ほとんど身動きができない超満員電車に揺られて東京から帰宅したのだが、最寄りの駅で電車を降りたときには、いつも以上に膝がしびれていた。素早く行動することなどできない状態だった。
改札に向かう途中で、斜め前から来た男性とぶつかりそうになった。右足には避けるだけの力が入らなかった。その瞬間、その男性は肘だったかカバンだったかよくわからないが、「邪魔だ!」とばかりにぼくを左側の体を突いてきた。バランスを失い、よろけてしまい、右腰、右膝から床に打ち付けられて転倒してしまった。
しばらく立ち上がれなかった。床面の視点から周囲をよけるように通り過ぎていく人々が見えた。誰も助けてくれない。突き倒した人はどこかへ行ってしまった。
数秒倒れたままでいたが、何とか起き上がり、柱に寄り掛かった時に、駅員さんが来て声をかけてくれた。
「大丈夫ですか。担架を持ってきましょうか。車いすをお持ちしましょうか」
「大丈夫です。少し休めば大丈夫です。」
「じゃあ、事務室で休んでください」
ぼくは足をひきずりながら、駅員さんについて行き、事務室内のソファに横になって休んだ。10分ほど休んでから、立ち上がって、お礼を言い、外に出て改札を出た。そのあと、買い物し、バスで帰宅したのだが、帰り着いた時、ひざは感覚がなく痛みもひどかった。
それから、食事をして、いくつかの仕事をして、夜、寝るころになって、右腰に痛みを感じた。どうやら、打ち身のようだ。湿布を張って寝た。
今朝になって、腰は昨晩よりさらに痛む。どこかへ出かける気もしない。ほとんど寝たままで時間が過ぎていく。明日からの仕事が心配になってきた。こうなると、頭の中で、いろいろと考え始めるようになる。
考えてみれば、郊外から東京都心へ通勤する人たちは毎日のように満員電車に乗っている。いらいらもかなりなものだろう。
以前、混雑する渋谷駅で男性と女性の肩がぶつかり、振り返った女性が「なんだ、てめえ!」などと言っていたのを耳にしたことがある。また、電車内で「おい!押すなよ!」「そっちこそ押すなよ!」「おい、降りろ!降りて話つけようじゃないか!」等と言い合っているのも耳にしたことがある。
満員電車の中で、あるいは混雑する駅で、いらいらする人たちが多い。仕方ないのだろうか。何とかならないものだろうか。山手線は3分に一本の電車が走っているが、郊外から東京に通勤する人たちが乗る電車の本数ももっと増やすとか、満員を少しでも解消する対策を練ってもらえないだろうかと思ってしまう。