何かが狂っていると思っても、その何かがよくわからない。
この国の何かが、狂っているようにも思うが、
いや、ぼく自身の何かが狂っている。

新しい何々があれば、こんなに楽しいはずだと宣伝を見て、
そんなものなくたっていいじゃないかと思ってしまう。
金があれば、何々ができるという人を見て、
そんなものできなくてもいいじゃないかと思ってしまう。
かつての欲求がほとんど感じられない。
テレビで何々がおいしいという人を見て、
そんなもの食べなくたっていいじゃないかと思ってしまう。
エビとかイカとかカニとか高級魚とか見ても
ほしくないと思ってしまう。
ここは最高だ、素敵だといっても、
別に行きたくもないと思ってしまう。

何だろう、この感覚は？
生きることさえ、どっちでもいいと思ってしまう。
誰かが亡くなったというニュースもどうでもいい。
ましてや、誰々が不倫をしたとかまったくどうでもいい。
ビットコインにしても相撲のニュースにしてもどうでもいい。
コマーシャルにしてもくだらないものが多い。
みなどうでもいいものの宣伝ばかりだ。

ぼくが狂っているのか、世の中が狂っているのか