山の記憶!
山の日ということで、これまでに登ったいくつかの山を思い出してみた!登ったと言っても、本格的な登山とは違う。ハイキングに近い。
いちばん古い記憶は二十数年前、台風が来ている時に、数名の仲間と福岡県のある山に登ったものだ。年配のガイドさんが「こんな日に登ったら、忘れられない思い出になりますよ」という。ぬかるんだ山道を登った。途中、木の枝や鎖をつかんだりしながら、スタスタと登るガイドさんを追いかけて登った。最も恐ろしかったのは、地図上の山道が雨で川のようになっていたことだ。その道をじゃぶじゃぶと歩いて、登り切った時は涙が出そうになった。
十数年には中国にいた。その間に、学生たちといっしょにいくつかの山に登った。2006年には、中国の教え子に誘われて中国広東省の梧桐山に登った。観光地でもあるため、けっこう人が多かった。忘れられないのは何度か鎖をつかんだりしながら、尾根伝いの道を登っていったこと。言葉が通じないものの、すれ違う人たちと笑顔で、簡単な挨拶をしたことなどだ。頂上には人が多かった。下を見下ろしたら、港が見えた。遠くに霞む市街地も見えた。
2007年には珠海の板障山に登った。途中、みんなで道に迷ったのは忘れられない。その他に香港島の山。山上から見た香港市街はきれいだった。また広州の白雲山にも行った時には途中、あちこちで太極拳をしている人たちに出会った。どの山も好きだ。見下ろせば、海や川が遠く見えるのはすばらしい。
最近の記憶に残る山は神奈川県の大山。年老いた母がいつも一緒に行きたいというので、数年前、いっしょに登った。小田急線伊勢原駅からバスで大山ケーブル下まで行き、そこからケーブルまで数百メートル登らなければならない。ケーブルで、阿夫利神社下社まで行けるが、上社まではまた登らねばならない。だが体力のない母には無理だ。ただ、そこからの眺めは雄大だった。
最近は、母といろいろな山に登った。高尾山は大変だった。休日だったので、帰りはケーブルがなくて、降りるのに時間がかかった。それから近隣の公園で、名前に「~山公園」とあれば、ほとんど登った。西郷山公園、野毛山公園などなど。つい最近は登った(行った)のは箱根だ。ここも忘れがたい。早雲山から眺めた景色、大涌谷の絶景は素晴らしかった。結局は非日常的な眺めを得るために登るのだろうか。
今後、体力がますます衰えていく母を連れていけるところは限られてくる。それだけではない。近頃は記憶はあいまいになってきた。高尾山と言っても、それ、どこの山?と言う。それでも、若い時登ったという恐山だけは覚えているようで何度も話に出てくる。近い記憶より遠い記憶のほうが鮮明なのだ。ぼく自身もこれから記憶があいまいになる。記憶の中で、いつ、どこのものか、あいまいなまま、一シーンとして残っているものもある。家の中にある本やノート類の整理とともに、記憶の整理も必要な気がして来た。
梧桐山からの眺め
梧桐山に登る途中!
香港の山の上から見た香港市街!
箱根早雲山からの眺め