ヒヨドリ!
団地の中を歩いていると、「ギー、ギー」という鳥の声が聞こえてきた。見上げると、木の枝に止まっている鳥を発見して、しばらく立ち止まって撮影数枚写真を撮った。止まったまま、右を見たり、左を見たり、羽根をばたつかせたり、いろいろな仕草をしているかと思えば、急に甲高い声を出したりしている。
家に帰ってから、図鑑で調べると、どうも、「ヒヨドリ」らしい。図鑑には「全長27.5㎝。スズメよりもずっと大きい中型の鳥で、その特徴から他の鳥と見間違えることはない。「ピーよ。ピーヨ」と騒がしく鳴く」と書いてある。 言われてみたら、そうかもしれないと言うような気もするが、ぼくには「ヒーヨ」とも「ヒーヨ」とも聞こえなかった。
考えてみたら、鳥の鳴き声とは、ことばを学ぶうちに、このように鳴くのだと頭の中に植え付けられたもののように思う。カラスの鳴き声もよくよく聞いていると、「カー!カー!」とは聞こえない。ぼくには「ア~!ア~!」と聞こえることのほうが多い。鶏だってそうだ。ぼくには、「コケコッコー」とも聞こえないし、「cock-doodle-doo」なんて聞こえやしない。
さて、話を戻すと、このヒヨドリ、かなり長い間、騒いでいた。仲間に呼びかけたり、他の鳥を威嚇したりしているように見えた。鳴き声も実はバラエティに富んでいたのだろう。声と姿で何かのパフォーマンスをしているのだと思う。
遠くへ出かけなくてもいい。近くを散策しながら、耳を澄まし、目を凝らしていれば、団地の中でも豊かな自然は観察できるに違いない。これも、散歩の楽しみの一つだ。