日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

お堀の鴨


 小田原城を訪れて、天守閣に登った後、お堀で泳ぐ鴨たちを眺めながら、駅に向かって歩いた。鴨たちは日ごろ見かけない鳥ばかりで、帰宅してから、図鑑で名前を調べたが、なかなか特定できない。


 はっきりとはいえないが数種類いたように思った。水鳥のゆったり泳いでいる姿を見ていると、何とも言えない穏やかな気分になった。鳥たちが描く波紋も美しい。自然の芸術だ。


 戦国時代、豊臣の軍勢がこの城を囲み、北条氏を滅ぼすという歴史があった。今、世界では人々がコロナに脅かされる中、大国が覇権を争っている。世界は分断されている。だが、ここは戦争のない、水鳥たちが騒ぐこともない平和な場所。


 醜い戦争とは縁のない水鳥たちの優雅な姿に少し感傷的になりながら、夕暮れ時を歩く。観光客も以前の休日ほど多くない。夕暮れの迫る時間がゆったりと流れる空気の中、ジョギングする人もいる。学校帰りの学生さんたちもいる。ただ散策している人もいる。


×

非ログインユーザーとして返信する