きらいなもの(4)CM
先日、「ニチガス」とかいう会社から電話があった。
ぼくは電話の相手に言った。「例の『コンニチガス』とか言って宣伝している『ニチガス』ですね。あの宣伝効果は抜群ですよ。名前は忘れましたが、嫌いなタレントが宣伝しているから、お宅とは契約したくないんです。」そう言って電話を切った。
最近驚くことに、その嫌いなタレントが一つだけでなく、いくつものCMで出てくる。ぼくの母も彼が嫌いで、テレビの前に座ってドラマを見ていて、CMになってあの顔が出てくるたびに、立ち上がってどっかに行く。ドラマ始まったよと声をかけると戻ってくる。また、かつて、母は、小林稔侍さんが主演をやっている「鉄道警察」のドラマが大好きだったが、主人公の弟役に彼が出てきて以来、母はこのドラマも見たくないと言って見なくなってしまった。
新聞やラジオの宣伝に比べて、テレビのCMは宣伝効果抜群だ。誰々が宣伝しているからといって、その商品まで嫌いになる。ありがたいことだが、CMのたびに嫌な気分になって、テレビを消したくなる。そのCMが流れるたびに、チャンネルを変えたり、ミュートにしたりしているが、場合によっては、ついに番組までも見たくないものになってしまうことさえある。
番組の宣伝もある。嫌いなタレントが出る番組の宣伝で、「今夜何時から」と言われたら、その時間帯、そのチャンネルにはしないし、「この後すぐ」と言われたら、すぐチャンネルを変える。これも抜群の宣伝効果だと言える。