禍福は糾える縄のごとし
「人間万事塞翁が馬」を英語で言えば、「lnscrutable are the ways of Heaven.(天の配剤は不可解である)」。
これまでの人生を思い起こせば、悲しい出来事が続いたかと思うと、急に展開して、少々身に余るような幸福を味わったりする。それが突然不幸に転じたりする。予測し難い幸と不幸の繰り返しだ。
似たようなことわざに、「禍福(吉凶)は糾える縄のごとし」がある。幸福と不幸はよりあわせた縄のように交互にやって来るという。禍も福もある程度重なるものの、いつまでも続くことはない。「禍福門なし人の招くところ」ともいう。幸福と不幸に決まった門はない。ただ、人が招くものだ。
もうひとつ、「禍福」に関することわざに、「禍福をほしいままにする」というのがある。これは権力を濫用して、人を賞したり罰したり、引き上げたり引き下ろしたりする。言わば、人の幸不幸を自分の思うがままにするということだ。トランプしかり、金正恩しかりだ。だが、彼ら自身にとってもまた、禍福は糾える縄のごとしだ。