卒業式シーズンに思うこと!
3月上旬は卒業式シーズンだ。卒業式と言えば、思い出すことも多い。送辞、答辞の際にしくしくと聞こえる泣く声だ。また、一人ひとり握手をして別れる時、大泣きする学生もいた。卒業の歌をぼろぼろ涙をこぼしながら歌っている学生たちのことが思い出される。
卒業式の歌と言えば、かつては「蛍の光」、「仰げば尊し」だったが、最近、学生たちといっしょに練習した歌は、「旅立ちの日に」、「3月9日」、「さよなら大好きな人」、「未来へ」などだ。それぞれ涙を誘う歌だ。「贈る言葉」も根強い人気があるらしい。贈る言葉と言えば、わたしも毎年、卒業生たちに贈る言葉を考えている。
巣立つ若者たちを見送りながら、別れをつらく思うと同時に心配する気持ちもある。授業中、スマホが手放せない学生たち、常に何か刺激ばかりを求める若者たち。大丈夫なのかと心配なのだ。今の世の中、必要なことは何かが分かりにくくなっている。娯楽と情報があふれていて、かつてのように単純に学ぶ時代ではなくなっているように思う。
娯楽と情報だけではなく、物もあふれている。まさに溺れそうなくらいだ。ついつい、買ってきたもの。ついつい残してあるものなどでいっぱいだ。大事な物は何か、分かりにくくなっている。娯楽や情報や物の中には、よく生きる上で欠かせないものとなくてもいいものがある。それを見き分ける目を持ちたいものだ。それこそ、今後の世界を生き抜く上で欠かせない能力になるのではないか。