団地の前に小高い山があり、気が生い茂っている。そこから、ホーホケキョという声が聞こえる。

　私有地で、塀がしてあるので、立ち入れないが、毎年、この鳴き声に季節の移ろいを感じている。

　その塀の向こうに紫色の花がちらりと見えた。背伸びをして、カメラを望遠にして撮った。

　山桜や枝垂れ桜がつい最近まで咲いていたのにと思うと、藤の花には少し意外だった。

　少し前に梅の花を愛で、その後、花桃、桜、コブシと鑑賞してきたような気がしていた。

　それが、もう藤の花なんだと思うと、時の流れの速いものだ。今週末には藤棚でも見に行きたいものだと思った。