日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

親友!


 ぼくは2005年から3年間中国で日本語教師をしていた。そして、2008年3月、中国から帰国した。その際、非常にお世話になったDさんという女性が、今、仕事で日本に来ていて、昨日の夜、8年半ぶりに会った。


 Dさんと出会ったのは2005年だから、11年来の友人ということになる。同じ学校で日本語を教えていた。時々、いっしょに食事をしたり、仕事で一緒に出掛けたりした。ぼくは慌て者でうっかり者でいつもドジを踏んでいたが、彼女も似たようなところがあり何となく気が合った。それに、温かみがあって、人間性豊かで、学生に対する気持ちなどいろいろ共感を覚えるところがあった。2007年秋、ぼくはZ市へ移り、彼女とはいったん離れた。


 2008年春、帰国する前日、中国人同僚たちが別れの宴を開いてくれた。数人が集まって酒を飲んだ。ビールだけならよかったのだが、56度の強い酒を勧められ、何度か断った後、結局飲んでしまい、記憶を失っていた。どうやって家に帰ったのか覚えていなかった。それに同僚に何か失礼なことを言ったらしく、後で、ひどく憎まれるということもあった。
 
 空港へ行く日の朝、目が覚めて、慌てた。時間があまりないのに、荷造りがまだ終わっていなかった。そこへDさんが来てくれて、いろいろ手伝ってくれた。何とか間に合いそうだという時間に、いっしょにタクシーに乗って約一時間、空港に着いた。ところが、馬鹿な話だ。何とパスポートがない。それから、同僚に電話して、探して持ってきてもらうことになった。便も1便遅らせて出発した。その際、Dさんには本当にお世話になった。それに、他にもいろいろな人に迷惑をかけた。
 
 昨日の夜、初めて知ったことだが、8年半前のその日、彼女は体調が悪かったそうだ。ぼくに心配をかけないため、だまっていたという。そして、ぼくを見送った翌日、病院へ行き、十二指腸潰瘍だということがわかったそうだ。そんなことは知らず、迷惑をかけたことを改めて申し訳ないと思った。と同時に、いつも心にかけてもらい、ありがたいと思った。


 最近、ぼくのドジは相変わらず続いている。ドジで人に迷惑をかけることは数多い。そのたびに自己嫌悪に陥るが、8年半前のドジは忘れがたく、もっとも迷惑をかけたドジだ。これからどんなドジを踏み、どんな迷惑をかけるかと思うと、これは死ぬときは有名な作家じゃないが、「迷惑をかけてすみません」とでも遺書を残さなければならないのではないかと思う。


 いずれにしても、そんなドジも受け入れてくれる、こんな友達がいることは本当にうれしいことだ。ここ最近ついてないとか、ドジが続いて自己嫌悪になったりしていたが、昨日の久しぶりの出会いで、気持ちが一気に晴れたような気がする。

×

非ログインユーザーとして返信する