天皇のお言葉
「既に八十を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。」
天皇陛下は昭和8年(1933年)にお生まれになった。そして昭和64年(1989年)1月7日即位。元号は平成と変わった。以来28年足らずの期間に多くの事件があった。
災害があり、世界ではベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊、アメリカの同時多発テロ、自衛隊イラク派遣、カンボジア派遣、世界同時不況などの事件があった。
国内ではバブル崩壊、オウム真理教事件、阪神神戸大震災、東日本大震災、熊本地震などいろいろな事件があった。
そればかりではない。インターネットおよび携帯電話の普及などにより時代は大きく変わってきた。
そんな28年間の間、天皇陛下は被災地や太平洋戦争の犠牲となった国を訪問したりしてきた。さまざまなところで象徴天皇として、国内外に多くの影響を与えてきた。明治以来、生前退位はない。それを初めて行いたいというお気持ちだ。ただ、皇室典範によれば、そういう制度の改定をする権限もない。だから、「お気持ち」として発表されたのだ。
多くの問題がある。内閣はどうするのか、退位後の名称問題、皇太子の問題など山積みだ。ただ82歳という年齢を考えれば、今、私の母は天皇陛下とほぼ同年代だ。一人暮らしもままならぬ。それでも天皇陛下として国事をこなしていくことはおそらく難しいだろう。これからは、ゆっくりと暮らして行かれることを願う。
政府ができるだけ早く対応して、新しい制度を作ってほしいと思う。