燕子花!
かきつばた/杜若/燕子花
カキツバタといえば、
唐衣着つつ慣れにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ(古今和歌集)
ひらがなで書くと、
からころもきつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞおもふ。
意味はこうなる。
唐衣を着慣れるように慣れ親しんだ妻が都に残して、はるばるとやってきた旅のわびしさをしみじみと感じる。
作者は在原業平。秀才されたのは京都から東下りする途中、三河の八つ橋というところで美しく咲いているカキツバタを見て詠んだといわれている。
各句の先頭の文字を結ぶと、「か・き・つ・は・た」となっている。こういう和歌の技法を「折句」いうそうだ。