日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

六月の花いろいろ(2)


 六月になって、かなりの枚数になる。これまで、発表していなかった花の写真を集めてみた。上の写真はネムノキだが、何とも言えないぼんやりとした姿をしている。
 花は自然界のもの、花丸のようなはっきりした形の花だけではない。不思議な形のものもいろいろある。それらの花が、夏に向けて競い合うように咲く様子は見る者を楽しませてくれる。


ハルシャギク


ウスベニアオイ


カラー


ムクゲ


ナスの花


サルビア・ガラニチカ


ランタナ(シチヘンゲ)


ノアザミ


ヒメヒオウギズイセン


ワスレグサ属(?)

気になる日本語「みたい」

 今日は朝から雨が降り続いている。母が「梅雨みたい!」と言う。


 この日本語、どこかおかしい。だが、どこがおかしいかというと、実は、十数年前まではよくわかっていなかった。外国人に日本語を教えるようになって、初めて気づいた日本語の問題だ。


 日本語学習者向けの練習問題に、こんな問題があった。


「冬なのに、今日は暖かくて(a.春らしい b.春みたい)です。」


 a、bのうち、どちらか選ばなければならない。母語話者なら、感覚的にはわかるだろう。ただ、説明するとなると、ちょっと難しい。


 答えから言うと、正解は(b)だ。この「春みたい」は、この問題文の場合、「春のようだ」と同じで、「春ではないが、春の特徴がある」という意味だ。(a)の「らしい」は「本当に春だと感じる(典型的な春)」という意味だ。


 3月前後の春、暖かい日に、「春らしい」といえば、間違いないが、他の季節、暖かい日は、「春みたい」となる。なお、この「みたい」には、この文の比喩のほかに例示や推量があることも付け加えておく。


 ちなみに、初冬の暖かい日のことを「小春日和」と言うが、これは「冬なのに、ちょっと春みたいな(のような)天気の日」ということだ。


 母は、雨が続くと、季節に関係なく、「梅雨みたい」と言う。梅雨以外なら正しいが、梅雨の時期なら、「梅雨らしい天気」というのが正解だ。こんなことばかり言っていると、母からは「言葉にうるさいんだから!」と、苦情を言われる。

 

 かつては、日本語を日常的に使いながら、日本語の使い方の細かい違いがよくわかっていなかった。外国人に教えるようになって、本当はわかっていなかったことがわかった。やっぱり、日本語は難しい。しかし、だからこそ、面白いものだと思う。

オカトラノオ


 いつも散歩している川辺の道に、花がない草だけの植物があって、「オカトラノオ」という名札がつけられていた。図鑑では調べてみると、面白い形をしている。だが、実際には、なかなか目にすることができなかった花だ。


 それが、先日、別の場所を歩いていて、ふいに見付けた。おもしろい。図鑑で見たとおりだった。グーグルレンズで調べても、間違いない。ユニークな形をしている。花序がやっぱり虎のしっぽのように見える。


 ところで、「虎の尾」と言えば、「虎の尾を踏む」という言葉を思い出す。極めて危険なことをするたとえだが、昨年から今年にかけて、マスクなしの三密状態で、どんちゃん騒ぎのパーティをするようなことがぴったりのような気がする。


 この花を踏んでも恐くはなさそうだが、この世には「虎の尾を踏む」ような危険はけっこうあるような、いや実際に何度か踏んでしまったことがあるように思う。くれぐれも気をつけなければならない。


オシロイバナ

 21日は夏至だった。横浜の日の出は4時27分、日の入りは19時だ。夜7時まで明るいのはうれしい。いつも遅く起きてきて、夕方ごろ元気になる母を何とか早い時間から、散歩に連れ出そうとするのだが、冬至のころは大変だった。それが、今は、7時まで帰ればいいのだ。ずいぶん楽になる。


 昨日は朝から降っていた雨が昼過ぎに止んだ。母の好きなドラマもなかったので、町田市との境界線まで歩くことにして、母と二人、3時頃出かけた。途中、神社でお参りしたり、何度も、コンビニや公園でトイレ休憩を取りながら、よく頑張って、1時間あまりで、ここから先は東京だよという所まで着いた。


 途中、珍しい花をいくつか見かけたが、いちばん驚いたのは、例年だと7月ごろから咲き始めるオシロイバナがあちらこちらで咲いていたことだ。しかも、色は一色ではない。赤、黄、紫、白など、それに、色の混ざったものもあった。


 ところで、オシロイバナと呼ばれるのは種子の中の粉がオシロイのようだからと図鑑に書いてあった。また、夕方咲いて、朝には閉じるということから、英語名はfour-o'clockと呼ばれているそうだ。 ちょっと待てよ、いつも夕方、元気になって、朝4時頃まで起きている母と同じではないか。


茸のような黄色い花!


 散歩中、公園で見つけた黄色い花、茸のような形をしている。グーグルレンズで調べたら、最初、茸の名前が出て来た。もう一度調べ直すと、「イエロー・ヤロー」、「キバナノコギリソウ」いう名前が出て来た。


 手持ちの図鑑には載っていない。ネットで調べたら、どちらも正しいようだ。和名がキバナノコギリソウで、漢字で書くと、「黄花鋸草」。英語名は、”Yellow yarrow"ということのようだ。


 花言葉は「指導」「真心を持って」「戦い」「勇敢」「治癒」「治療」「恋の戦い」「悲嘆を慰める」「私を治してください」等など、いっぱいある。


 とにかく、初めて見る花だ。もしかしたら、これまで見ていても、認識していなかったのかもしれない。どちらにしても、こうして、花を見付けながら、いろいろなところを歩いて回るのは贅沢で、面白い散歩だ。


 それにしても奇妙な形をしている。ノコギリというのは葉の形から言われているらしいが、それより花の形のほうが不思議だ。1メートルあまりの高さまで聳え立つ茎の先に広がる黄色い空中都市という感じで、何とも興味深い花だ。