この三日間、雨続き、まさに菜種梅雨だ。空は灰色、山も太陽も見えない。部屋の中は昼でも暗く、憂鬱な気分になる。

　この雨ではなかなか出かける気にもならない。それに、先週引いた風邪が完治せず、37度前後の微熱があって、結局、憂鬱な部屋にずっと引きこもっている。

　食事は冷蔵庫にあるもので、いろいろ作っているが、そろそろ、卵や肉や魚、それに、飲み物などを買いに行きたいと思う。

　ベランダから見える桜並木の桜は、どの木も、この三日の間に、満開に近づいている。同時に雨に打たれて、散り始めているようで、路面は少しピンク色をしている。

　ピンク色といえば、数日前にピンク色の椿を見た。「ピンクの椿」で調べてみたら、乙女椿というらしい。これもまた、桜のピンク色に劣らず美しい。

　春と言えば、桜のピンク色が美しい。
　だが、春は桜だけではない。
　白や黄色も美しい。
　春は種々の花を咲かせて、
　人々の目を楽しませる最高の季節だ。
　やっぱり、
　日本の春は世界一の季節だと思う。
　どんな苦境にあっても、
　この季節を楽しむのは最高の喜びだ。

　わたしの街でもソメイヨシノが咲き始めた。
　日々、母と二人で花見散歩をしている。

　桜やコブシなどの花を見ながら歩きめぐる。

　団地の中、人通りも増えているようだ。
　マスクをしていない人も多い。

　立ち止まって写真を撮る人もたくさんいる。

　家族連れの外国人も桜の下で談笑している。

　儚げで美しい淡いピンク色に皆魅せられる。
　青空と流れる川面にソメイヨシノが映える。
　春景色を眺めながら歩くのも人生の喜びだ。

　少しずつ暖かくなっている。風呂もシャワーに変えてもいいかなと思うほどだ。
　やはり、季節の巡りが少し早いようだが、そんな中、赤い花を見ると、いっそう温かみを感じる。
　近所を散歩していると、あちこちで見られる赤い椿、膨らみと暖かみを感じる花だ。
　ボケの花もずいぶんと奥深い赤色だ。散歩しながら、桜の花だけでなく、暖かみを感じる色を探している。

春はあっという間に来た。
というよりはこっそり来ていた。
これが今年の春なんだ。
温暖化の影響か少し早すぎる。
だけど、庶民にはうれしいものだ。
さて、未来の春はどうなるのか。
疑問は残るが、とりあえず、

今を楽しみたい。
自分の心を楽しませたい。