日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

眠り鴨


どの鴨も眠っている。
首を背中に折り曲げて、
すやすやと音が聞こえるかのように、
眠っている。
何か餌の夢でも見ているのだろうか。


辛夷開く!


三月上旬、辛夷の蕾が開いた。
いつもより少し早く開いた。
青い空に向かって蕾をまるで、
乙女の唇が綻ぶように開いた。


落ち椿


 今週に入ってから二日続きで、風が強かった。月曜日は晴のち曇の天気で、風はそれほど強くはなかった。
 散歩していたら、真っ赤な椿が散っているのを見つけた。「落ち椿」と言えば、春の季語、俳句の一つもひねれたらいいがと思いながら、取りあえず、写真に納めておいた。
 火曜日は雨も降り、強風が吹いた。北国では大雪だったそうで、大変だったことと思う。天気予報によれば、これが、春の嵐だと言っていた。嵐が来れば、椿も散るだろう。そして、その後には少しずつ暖かくなる。
 雨の音、風の音を聞きながら、春の頂点が一歩一歩近づいてくる。その足音までが聞こえてくるようだ。


鶴見川の鴨たち!


 ゆったり流れる川、鴨たちがいっぱいいる川、一級河川の鶴見川。東京都町田市から神奈川県を流れる川、横浜市鶴見区の河口から東京湾に注ぐ一級河川だ。長さは42.5㎞の川だ。
 一ヶ月に、二、三回訪れている。鴨などの水鳥を眺め、写真を撮っていると、母から、「いつまで、撮っているの?」と、呆れられる。それでも、わがままを許してもらって、しばらく眺めている。
 母の足を考えれば、日の暮れる前に家に帰り着かねばならないのだが、いつも、うっかりして、帰り着くころには暗くなっている。


山の中を歩く


 近所にあるちょっと高い山の中を歩いた。
 散歩途中で、グーグルマップ上には道がないのだが、目の前には道があって、そこには我が家の近くに出るという標識まであったので、よくわからないけど、ともかく行ってみようということで山の中に入った。どんどん進むうちに、いつしか、道は山の尾根になっていた。
 高齢の母も杖を突きながら一緒に歩いた。道が二つに別れている時は、冒険好きの母が選ぶほうを進んだ。道の両側には、ほとんどのところでロープが張ってあって、しかも、「あなたは見られています」という注意書きの板までつるされてあった。だが、結局、人に会うことはなかった。
 この先行き止まりになるかもしれないという不安も抱えながら歩いた。獣道のようなところもあった。また、上り下りする道もあったが、「大丈夫!大丈夫!」と声をかけながら、手を引いて、草をかきわけ、上ったり下ったりして歩いた。
 古びた池がいくつかあって、地図上の池と照らし合わせ、場所を確認しながら歩いた。知っている霊園が眼下に見えた時はほっとした。霊園まで下りて、何とか帰りついたのだが、山に入る前の道も含めると、およそ3時間、山の中では1時間あまり、全部で1万2000歩を越える冒険の散歩になった。