日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

白い蘭


 散歩中、白い蘭の花を見つけた。もしかしたら、春蘭かと思ったが、グーグルレンズで調べたら、「シロバナシラン」と出た。それから画像などを検索してみたら、春蘭とは色も見た目も違うようだ。ウィキペディアで調べて見ると、シュンランはラン科シュンラン属、シロバナシランはラン科シラン属、とある。色合いが全く違う。


 春蘭を初めて知ったのは、二十数年前、山の中を歩いていた時だ。こっそり、抜いてきて、当時住んでいた我が家の庭に植えた。図鑑で調べた結果、間違いなく春蘭だと思った。 その後、転々と引っ越しをしてきて、いつの間にか春蘭のことは忘れていた。記憶はいつもすり替えられてしまうようで、春蘭は白い花だと思い込んでいたようだ。


 今回、見付けたのは、シュンランではなかったのだが、シロバナシランもなかなか素敵な花だ。「白蘭」ともいうそうで、白い花は何であれ、汚れのない清純さを感じる。花言葉は「楽しい語らい」だ。コロナで友人とも会えない今、同居する家族との語らいを楽しむしかない。



シラン!


 道ばたに咲いていた花を指さして、母に、「この花の名前、知ってる?」と聞くと、母は「知らん」と答える。ぼくは「正解」と言う。毎年こんなことを繰返している。


 「紫蘭」と書いて、「シラン」と読む。十数年前、横浜市都筑区にある「せせらぎ公園」で、花が咲いていないのに、「シラン」という名前の記された木札を見付けて、そんなおもしろい名前の花があるんだと驚いた。


 そして、翌年、少し早い時期に、同じ場所に行って、実際にこの花を見た。「シラン」を知るまで、花の名前に関しては無知だったが、以後、よく散歩しては、花の名前などを調べるようになった。また、特に公園などでは、木札に名前が記されているおかげで、花の名前をかなり多く知ることが出来た。


 ところで、この「シラン」、前より増えているのか、それとも、意識しているせいなのか、最近はすぐ近くの散歩道でも、よく見かける。そして、見かける度に、「この花の名前、知ってる?」と母に聞く。返事は、いつも、「知らん」だ。



 近所の竹林に筍が顔を出している。
 数十年前の四月上旬、知り合いの山で、筍掘りを手伝ったことがある。足の裏で土の中の筍を感じて、掘り出す作業だったように記憶している。難しい上に、腰が痛くなる作業だった
 この筍が高くておいしいと人は言うが、貧乏性のせいか、人が言うほど食べたいと思わない。スーパーなどで見かけると、目が飛び出そうな値段だ。
 筍農家の苦労を思えばこの値段も仕方がないと思うが、やっぱり、無理して買うことはないと高値の花を横目でちらりと見ては素通りしている。


鳩と目が合う


 美しいツツジが満開の公園を散歩していたら、公園の片隅で、群から離れてしまったらしい鳩が一羽、首を前後に振りながら、ゆっくりと歩き回っていた。
 あまりに寂しそうだったので、じっと見ていたら、孤独な鳩は、立ち止まって、こちらを見つめ返してきた。知らず目が合ってしまった。
 公園に咲く賑やかな色のツツジとは対照的に、質素で渋い色の羽根を身に纏った鳩が寂しげに一羽だけで歩いている、その姿が何だか愛おしく感じられた。


散った後の桜


ほとんど花びらが散ってしまった後の桜の木、
確か、この木はソメイヨシノだったと思うが、
木全体がほとんど真っ赤に染められているが、
数輪だけ残る花びらがまた美しいではないか。