秋来ぬと目にはさやかに見えねども!
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (古今集-藤原敏行)
歌の意味は、「秋が来たと目にははっきり見えないけれど、西風の音にやはり秋が来たのだと、はっと気づかされた。」というようなものだ。
毎年のことだが、立秋の日になると、「秋立つ日に、詠める」とあるこの歌がふと思い出される。そして、確かに目には見えないが、真夏にはない秋の風を感じて、秋が来たなと思っていた。
季節の移り変わりは、デジタルではない。冬の中頃から、春の兆しが感じられる。春真っ只中のころ、夏が徐々に始まり、真夏のなかに秋が感じられる。
例年はそんなふうに季節が移り変わるのだけれど、今年の立秋の日、秋風は吹かず、いよいよ猛暑がやって来たという様子だ。しかも、今年初の猛暑日だった。季節の推移が混乱しているように思える。
本当に釈然としない季節の移り変わりだ。七月は梅雨で曇天と雨天に覆われた。8月始めの6日までは真夏日、立秋の日の猛暑日。同時に、秋雨前線が日本を覆うという。
異常気象だということは間違いないようだ。2020年はコロナ禍、オリンピックの延期、お祭り中止、その上に異常気象という歴史上特筆すべき一年になりそうだ。
国家ファーストを唱える政治家、それに、自己中心的な政治家はそろそろ、舞台から姿を消してほしい。地球を、そして、人命や人権を守る政治家たちが世界を動かして欲しいと願うばかりだ。