初冬の葉っぱ
3年前までは、11月ともなると、毎年のようにどこか名所へ出かけて、銀杏の黄葉とかモミジの紅葉を眺めていた。
だが、この3年間は、名所へ行くこともなく、ただ、近所で、紅葉と黄葉を眺めている。そうこうしているうちに、近所の木々に愛着を感じるようになってきた。
ハナミズキ、桜やケヤキといった木々の紅葉、黄葉を少しずつ好きになってきた。毎日眺めるからこそ、愛おしいような気がしてきた。
これらの木々も精いっぱい生きて、葉っぱを枯らしている。翌年の春を迎えるために葉を落としている。
人間も同じだ。世代交代するために枯れて行く。そう思うと、枯れていく人生も悪くないと思えてくる。赤や黄色い葉っぱを眺めながら、ふとこれでいいのだと思う。