日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

映画館で思うこと


 人生で初めて映画館に行って、映画を見たのは、中学生のころだろうか。学校でまとまって見に行かされた映画だ。見たいとも思わない映画だったし、実際、つまらなかった。感想もなかったし、今ではタイトルも忘れている。


 次に、映画館に行ったのは、就職してからだ。結婚していたが、家に帰りたくなくて、土曜日の夜から朝まで、よくわからないつまらない映画を見ていた。というか、半分以上は寝ていたと思う。


 次に映画館に行ったのは、子供が出来てからだ。子供の好きな映画をいっしょに見に行った。確か、ドラえもんとか、セーラームーンとか、洋画のETとか、子供にとっては、それなりに面白いものだったろう。


 それ以来、ずいぶん長い間、映画館には行っていない。だが、十年前、久しぶりに映画館で映画を見た。老母が好きだというのがやっているというので、いっしょに付き合って見に行った。それが最後の映画館体験だ。


 それ以来、本当に映画館には縁がない。先日、人と待ち合わせることがあっ、待ち合わせ場所近くに、10年前に行った映画館があったので、ちょっと覗いてみた。いろいろな映画のポスターがあったが、つまらなそうな映画ばかりだ。


 とはいっても、若者には受けそうな映画のようだ。コロナが下火になっているせいか、映画館の入り口には若い人たちが並んでいた。彼らを横目に見ながら、待ち合わせ場所に戻った。これからの映画産業はどうなるのか、ちょっと疑問に思った。


 映画文化は必要なものだろう。それに、実をいえば、すてきなものだろう。だが、ぼくは今まで、そんな素敵な映画に出会ったことがない。映画館をちょっと覗きながら、何となく日本の映像文化に寂しさを感じた。


×

非ログインユーザーとして返信する