日々是好日

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

十三夜の朔日


11月1日、水曜日。旧暦9月13日で、十三夜。別名「栗名月」「豆名月」。一年で旧暦8月15日の名月に次いで美しい月が見られる日。


ところで、1日は(ついたち)は朔日(さくじつ)も書く。また、朔日と書いて「ついたち」とも読む。朔日の朔というのは太陽と月が地球から見て同一方向になる時。月がまったく隠れる日だ。月がゼロから出発する日だから「月立ち」変化して「ついたち」となった。こう考えると、ついたちは旧暦1日だが、今では新暦1日も「ついたち」、朔日(さくじつ)と呼呼ぶ。


さて、この「朔」を名前に持つ有名な人に詩人の萩原朔太郎がいる。『月に吠える』『青猫』『氷島』などで有名だが、朔太郎の名前の由来は1986年11月1日に生まれたので、朔太郎となったという。ぼくは毎年11月1日になると、萩原朔太郎を思い出す。


ますぐなるもの地面に生え、

するどき青きもの地面に生え、

凍れる冬をつらぬきて、

そのみどり葉光る朝の空路に、

なみだたれ、

なみだをたれ、

いまはや懺悔をはれる肩の上より、

けぶれる竹の根はひろごり、

するどき青きもの地面に生え。




光る地面に竹が生え、

青竹が生え、

地下には竹の根が生え、

根がしだいにほそらみ、

根の先より繊毛が生え、

かすかにけぶる繊毛が生え、

かすかにふるえ。


かたき地面に竹が生え、

地上にするどく竹が生え、

まつしぐらに竹が生え、

凍れる節節りんりんと、

青空のもとに竹が生え、

竹、竹、竹が生え。

高校三年生の時、この詩を習った。詩は理屈ではない。感じるものです。と教えられた。以来詩人を目指してきたが、またある時、詩は天性のもの、勉強して上手になるものではないと先輩の詩人の卵に教えられた。結局、ぼくは詩人の卵のまま、孵化せず年を取ってしまった。


ちなみに、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主人公松本朔太郎は、この詩人の朔太郎に由来している。

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