日々是好日

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

相対的!

 うちの母は感性の人間だ。
 3月末に、最高気温20度以下の日が続いた後、最高気温25度になった日、母は「暑い!」と言った。そして、9月末、30度くらいの気温が続いた翌日、25度になった日に、「寒い!」と言った。母は暑さ寒さを、温度計ではなく、体感でとらえているのだ。


 一番近くにある総合病院はおよそ2キロ、30分ぐらいの距離にある。以前、よく母と
歩いて行っていた。当時は近くにある病院と言っていたのだが、この間いっしょに歩いて行ったら、この病院は遠すぎると言う。年齢、体力の変化とともに感じ方は変わる。


 母にとって、客観的な数字は関係ない。家からある地点に行くとき、地図上で見ると、Aルートが最も近道だ。それでも、三角形の2辺を通るようなルートを母は近いと言う。これも感性だろうか。


 考えてみれば、単純なことだ。ぼくは身長が170センチ程度しかない。ところが、身長の低い人が多い国へ行って仕事をしたら、ぼくは背が高い人となった。そして、日本に帰ったら、身長が低い人に戻った。満員電車で、今どこの駅だろうとホームを見たければ、背伸びしても見えない。


 同じものでも、時代が変われば見方が変わる。以前、英雄だった人も時代が変われば犯罪人になる。ところ変われば、犯罪者も英雄になる。時代や国によって、物の価値は変わる。何もかも相対的なのだとつくづく感じるこのごろだ。同じ温度でも暑いと感じたり、寒いと感じたりするのも当然だ。



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