桂歌丸!
落語の桂歌丸がテレビに出ていたが、病気を繰り返していて、高座へも、弟子に車いすを押されてあがる。だが、一旦、高座で話し始めると、一気に客の心をとらえる。
実は以前、寄席に行って何人かの落語家の話を聞いたことがあるが、いちばん記憶に残っているのが、桂歌丸である。きれいな日本語で客を笑わせていた。
すでに亡くなった落語家では古今亭志ん生が好きだったが、彼も歌丸と同じく、笑わせるのが上手だが、そこには独特のリズム感があった。
同じく笑わせるのが上手でリズム感のある落語家に林家三平もいるが、歌丸や志ん生とは何かが違う。
何かと考えたら、三平は、手の動きを交えたギャグをワンパターンで繰り返して笑わせるのだ。ちょうど、今のお笑いタレントたちと同じだ。またかという感じだが、それが当時も受けたのだし、また今も受けるのだ。
桂歌丸も古今亭志ん生もそんな決まったギャグは持っていない。言葉の美しさと何とも言えぬリズム感や「間」で客の心をとらえるのだ。桂歌丸は、できるだけ長生きして、生涯現役でいてほしい落語家だ。