JUDO!
オリンピック柔道の試合を見て思った。世界選手権金メダルとか三連覇した選手が負けている。それも、審判の指導がひとつあっただけで、負けたりするのを見て、何だかつまらないと思った。
投げ技があったわけでもない。相手に襟を取らせないために腕を互いに出して、つかみ合いをする。また、相手の背中をつかんで力で押さえつけたりするのを見ていると、やっぱりこれは柔道ではないと思う。形だけ技をかけてみせ、攻撃していますという姿勢を見せたりするのを見ると、柔道技術の優れた者より、試合巧者のほうが勝つのだと思う。
なんだか、柔道ではないものを見ているような気がする。柔道とは柔の道だ。「柔よく剛を制す」ともいうが、これでは「剛よく柔を制す」だ。本来の柔道の力では勝てない。もしかすると、これはもう「柔道」ではなく、「JUDO」だということだろうか。それならそれでいいが、つまらない。
もう少し、勝敗を明確にできないものだろうか。最低でも指導の多少で勝敗を決めないでほしい。守りに徹してもいいではないか。攻撃せずにただ守り続けてもそれは引分けだ。指導を恐れ、焦って技を仕掛けようとして、失敗する選手を多く見た。指導が一つ多かっただけで負けて泣いている選手をみて、何だか主審の主観が左右しているような気がしてならない。
もしできるなら、サッカーワールドカップなどのように、予選リーグを行い、5分間、指導などは関係なく、技あり、あるいは、一本だけで勝敗を決め、それが互いになければ、引分けとし、ともに勝ち点1とする。グループの中の1位と2位が決勝トーナメントに進む。決勝トーナメントでは5分で勝敗がつかなければ、延長戦を5分行う。その際、互いに襟を持ち合ったところから、試合を開始するとしたらどうだろうかと思う。そんなルールなら勝敗は明らかだ。「JUDO」であってもかまわないと思う。