日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

汚れたタオル!

 3か月に一度くらい、スーパー銭湯に行っている。中に千円の床屋があるからだ。サウナも露天風呂もあるし、結構気持ちがいい。昨日の夕方、このスーパー銭湯に行く時、母が洗面所のタオルを渡してくれた。「持って行って、洗えば同じだ」という。モヤシは30分もかけて洗う母がタオルにはあまり神経質ではない。


 大学生のころ、下宿に風呂がなく、いつも銭湯に行っていた。一度、汚れたタオルを持って行って、洗っだが、泡が立たない。以来、銭湯であれ自宅の風呂であれ、必ず、風呂専用のタオルを使うようにしている。この数年、三か月に一度のスーパー銭湯通いの時は、洗面所のタオルを渡されて、毎回同じ話を母にしている。


 以前、森鴎外の翻訳小説を読んでいて、作品の中に、「汚れた布巾でテーブルを拭いても汚れるばかりだ」というような表現があった。小説のタイトルは思い出せないが、その時、かなり共感したのを覚えている。


 あの表現は、確か宗教家が汚れた心で布教しても、人の心をきれいにすることはできないと言いたかったのだろう。教育の世界にしても、教育者の心が汚れていたら、学生も汚れてしまう。政治の世界にしても、リーダーの心が汚れていたら、世界は今にもまして、汚れるばかりだ。

×

非ログインユーザーとして返信する