母!
昼過ぎになって、よたよたと起きてくる母!
夕方、帰宅するとひどく喜ぶ母!
夜になると、寝られないと酒を飲む母!
よく行く公園へ散歩に行くと、初めて来たと喜ぶ母!
その母が深夜を過ぎたら、何故か泣いている!
息子がかわいそうで心配だと泣いている。
大丈夫だよと言っても、
寝られない夜には、何度もすすり泣く声が聞こえる。
先週、頭痛で苦しむ息子を彼女はさらに心配した。
泣き声もさらにひどくなった。
頭痛で、寝られない深夜から朝にかけて、頭の中で、
ズキンズキンという痛みとともに母の泣き声が響いていた。
もう大丈夫だよと何度言っても、聞かない母!
父のいない今、頼るのはぼく一人なのだろう。
かつて、ぼくを厳しく叱った母が今はあまりに弱く見えて
その姿をいとおしく思うと、知らず涙がこぼれ落ちる。