しべふる!
やっと週末になった。今週はひどく疲れた。一ヶ月ぶりに平日の仕事が増えて、しかも、これまでと違って朝早くからの仕事もあったので、本当に疲れた。
今週は大変だったが、幸せだと思うこともある。ちょうど一か月前の3月21日に東京の桜が開花して、それから、今日まで一か月間、あちこちでいろいろな桜を見ることができたことだ。東北地方ではこれから桜のシーズンだというが、関東では今、まさに桜のシーズンを終えようとしている。ちょうど、ぼくの一ヶ月の休暇期間と桜のシーズンが重なったことだ。十分に楽しんだ。「知足」という気分だ。
「さくらしべふる」ということばがあるとニュースで聞いた。
これは桜の花びらが散ってしまった後で雄蕊雌蕊のしべが、花のガクごと落ちる事を表すそうだ。桜の鑑賞を楽しんだ一か月間の最後に、今、この様子がぼくを楽しませてくれる。ちょっと聞くと、さびしげなことばだ。花びらが散った後、桜の季節を完璧に終わらせるのだから、ちょっと寂しさの漂う言葉だ。
だが、これがまたいい。「しべふる」後に、若葉が出始めて、つつじが開き始めるのだ。新緑の五月を迎える準備をしているのだ。季節は明らかに移り変わっている。バトンタッチのようなものだ。ハナミズキも咲き始めた。その次には、その次にはと日々楽しみの増える時期だ。
まるで桜の花が口火を切ってくれたような気がする。鳥の鳴き声も素敵だ。ピーチク、ピーチクと鳴く鳥の声に誘われて、新緑の森を散策したくなる季節がやってきたことを素直に喜びたい。そしてこの平和を喜びたい。