ポスト真実とフェイクニュース(2)
2011年、東日本大震災の際に「もう東京は住めないほど放射能が蔓延している」という間違ったSNSが飛び交った。横浜中華街に行ったら、いろいろな店で店員が帰国して店はやっていられなくなったとか聞いた。
これなどまだただのフェイクニュースだが、やはり恐ろしいのはポスト真実の考え方から、気に入らない者を排除しようとして、真実を無視して感情的に人々を先導するようなフェイクニュースが流される時だ。
関東大震災の時、韓国人が暴動を起こしているとかいうデマが広がり、各地で韓国人が殺されたという話を聞いたことがある。そこにあるのは真実はどうでもいい、とにかく気に入らない者を排除しようとする思想だったように思う。
もしも、今、アメリカでSNSを使って、気に入らない者を排除しようとする考えから、真実をないがしろにしたポスト真実のフェイクニュースが流されたら、暴動さえ起こりかねない。大変な事態になる可能性もある。
戦時中の大本営発表も恐ろしい。別に気に入らない者を排除しようとするのではないが、国民を誘導しようとして、フェイクニュースを流し続け、国民たちに日本は「神の国」であると信じ込ませ、多くの若者たちを誘導し、多くのアジアの人たちを殺させ、無駄死にさせた。
北朝鮮の状態も似たようなものだ。北朝鮮国民すべてが詐欺の被害者のようなものだ。ミサイル発射で多くの国に見捨てられるようなことになっていても、何も知らず、ただミサイル発射が成功したと知らされ、誇りに思っている。国家的犯罪で金正男氏を殺害したと疑われているが、そのことも、殺害された人物の存在も知らされていない。
情報化したこの世界で最もおそろしいのはポスト真実によるフェイクニュースだ。一瞬にして世界を飛び交うSNSによるニュースは一気に世界を破滅させかねない。テレビニュースにしても、驚かされることが多い。えっ、そんなことが?と思わされることもある。意図的に人々を誘導したり扇動したりするニュースに騙されないように気を付けたい。