日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

孤立!

 漫画、人形、縫いぐるみ、ゲーム、ディズニーなどはかつて子供のものだったが、今、それらが大人たちのものに変化しつつある。


 ゲームに夢中になっている白髪のおじいさん、漫画に夢中な大人たち。縫いぐるみを抱く大人、着ぐるみをみてかわいいと黄色い声を出す大人の女性。そんな姿を見て、ぼくは驚きあきれるのだが、それはただ時代遅れでしかないのだろう。時代は変わっている。それらはすでに大人のものになっているのだろう。


 聞く所によれば、ゲームは世界においては大人のものだという。つまりゲームに夢中になる大人が増えるということはようやく日本も世界標準になったということか。アニメもそうだ。世界では大人のものだったのだろう。それが今、日本でもようやく大人のものになったのだろう。


 それでも、ぼくには納得ができない。ぼくの娘が小さい時、ぼくは娘を連れてディズニーランドへ十回ほど行った。ディズニーランドへ行ったのはその十回だけだ。それ以外行く気はしない。彼女と一緒に行くなんて考えたこともなかった。今は違う。子供のためじゃない。彼女のために行くらしい。


 着ぐるみを見てもそうだ。子供が好きだから、じゃあ、いっしょに「かわいいね!」と言っていたのだが、子供が大きくなってから、着ぐるみをかわいいと思ったことはない。ゲームも子供がいたからやってみたものの、子供が大人になったら、やる気もしない。


 なんだか、自分だけが世界標準からずれているような気がする。自分は世間一般の人の考えとは違うのだろうか。そんな気持ちになった時、ふと思い出すのは屈原だ。屈原は世の流れに反し、持論を説き続けた結果、失脚し、自殺した人だ。


 漫画やゲームに夢中になっている大人たちを普通だと思えない自分。トーク番組で馬鹿笑いしているお笑い芸人たちを馬鹿らしいと思う自分、くだらないCMを嫌う自分、パチンコを日本の恥だと思う自分、これはまさに屈原状態のような気がしてならない。僕は間違っていないと思うのに孤立しているようで、ひどくさびしい気がする。

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