日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

山の中を歩く


 近所にあるちょっと高い山の中を歩いた。
 散歩途中で、グーグルマップ上には道がないのだが、目の前には道があって、そこには我が家の近くに出るという標識まであったので、よくわからないけど、ともかく行ってみようということで山の中に入った。どんどん進むうちに、いつしか、道は山の尾根になっていた。
 高齢の母も杖を突きながら一緒に歩いた。道が二つに別れている時は、冒険好きの母が選ぶほうを進んだ。道の両側には、ほとんどのところでロープが張ってあって、しかも、「あなたは見られています」という注意書きの板までつるされてあった。だが、結局、人に会うことはなかった。
 この先行き止まりになるかもしれないという不安も抱えながら歩いた。獣道のようなところもあった。また、上り下りする道もあったが、「大丈夫!大丈夫!」と声をかけながら、手を引いて、草をかきわけ、上ったり下ったりして歩いた。
 古びた池がいくつかあって、地図上の池と照らし合わせ、場所を確認しながら歩いた。知っている霊園が眼下に見えた時はほっとした。霊園まで下りて、何とか帰りついたのだが、山に入る前の道も含めると、およそ3時間、山の中では1時間あまり、全部で1万2000歩を越える冒険の散歩になった。


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