日々是好日 - Seize the Day

煩悩だらけで無力で、罪深い人間の戯言です。

おせちと雑煮


 おせちや雑煮は毎年、ぼくが作っている。暮れになると、かまぼこや黒豆が高くなる。というか、安いのを高いのと入れ替えているのかもしれない。

 その点はよくわからないが、ぼくは、暮れが近づくと、賞味期限が1月の豆やチクワ等を買いだめしておいて、年が明けたら、自分で、おせちっぽいものを作っている。

 だが、そのことを忘れている母は、大晦日の31日、どうしてもスーパーへおせち料理を買いにいきたいと言うので何も言わず、ついていった。

 見る前からわかっていたが、いかにも不味そうなものが千円前後で売っていた。「こんな高いくてまずそうなのを買っても、ぼくは食べないよ。ぼくが安くて、美味しそうなのを作るから」と言って、何も買わずに連れて帰った。

 元日の早朝、初日の出を拝み、近所の神社に初詣をして、帰ってから、すぐ、雑煮と一重の簡単なおせちを作った。と言っても、数の子だとか、昆布だとか縁起物はほとんどなくて、おせちもどきではあるが、おいしければかまわない。

 結局、元日の朝のうちに全部食べてしまった。お雑煮は三日の朝まで、毎日少しずつ具や味を変えて作った。母が美味しいといって食べてくれた。年の初めのいちばん嬉しい出来事だ。


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